外固定装置イリザロフ)を利用した手術場合ピン感染心配になりますよね?

心配しないで下さい!ピンのから分泌物てくるのは正常なことです。

まずはピンの消毒方法をおえします。

 

ピンの消毒方法

準備するもの;石鹸(手の洗浄剤)、金属のピンセット、一回用の綿(もしくは綿棒)、滅菌液(生理食塩水、 クロルヘキシジン 、またはベタディン)、消毒ガーゼ

1.手を石鹸もしくは洗浄剤で綺麗に洗って下さい。

2.分泌物/かすを拭き取る:一回用の綿もしくは綿棒に滅菌液(生理食塩水、クロルヘキシジン( chlorohexidine)、またはベタディン(bethadine))を利用してピンとピン周辺の皮膚のかすを拭き取ります。この際にピンごとに別の綿(綿棒)を使用して下さい。一つのピンから出る分泌物を別のピンにうつるようにしてはいけません(交差感染が発生することがあります)。もし炎症が起きているピンを消毒したら、別のピンに移動する際にピンセットをアルコールで消毒した後に使用して下さい。

3.消毒:クロルヘキシジンやベタディンを利用してピンとピンの周辺、皮膚に約3㎝程度の高さまでピンを綺麗に消毒して下さい。この際もやはりピンごとに別のガーゼを使用して下さい。

4.ピンの周囲を消毒ガーゼで覆ってゴムで押さえます。

 

もしピン周囲が下記のような状態であれば、

1.乾燥した場合:乾燥した皮膚は生理食塩水を湿らせたガーゼで柔らかく擦ってあげて下さい。けれどもピン周囲には湿潤ローションを使用してはいけません。ローションがピンの挿入周囲に入ってしまってもよくありません。もちろん外固定器の上段・下段の正常な皮膚にはローションを塗っても大丈夫です。

2.かさぶたができた場合:ピン周囲を生理食塩水を湿らせたガーゼで柔らかく覆って下さい。何分か後にかさぶたが柔らかくなったら剥がして下さい。

3.傷んだ感じの場合:その部位をよく拭いてあげましょう。

 

もしピン周囲からの分泌物の色が下記のような場合は、

1.透明だったり若干黄色がかった透明な分泌物:これは正常な状態です。滅菌されたガーゼで拭いてあげれば大丈夫です。

2.白色・灰色・黄色・緑色の分泌物:このような色の分泌物もやはり正常ではありますが、もし感染所見(下記の内容を参照)が診られたら医療陣にお教えください。

3.血が出たら:ピン周囲を消毒中にまたは消毒した後に生じることがあります。また身体活動を沢山した後にも生じることがあります。しかし、余り心配をなさらなくても大丈夫です。 出血を止めるためには消毒ガーゼをピン周囲に覆ってそっと押さえれば大丈夫です。

 

ピンの消毒と関連して覚えておくべきこと

1.交差感染に注意して下さい。

2.かさぶたを剥がす際に痛みがあれば、なさらないで下さい。

3.もしよく判らない場合には、ただそのままにして医療陣にご質問して下さい。

4.時々に出血が起きることもありますが、これは大概にピンが正常な組織を刺激して発生するものですから、余り心配する必要はありません。

5.アルコールはピンセットの消毒にのみ使用します。アルコールを傷口の消毒に使用するととても刺激的ですので、避けた方が良いでしょう。

6.ピン周囲の分泌物は外固定装置を利用した下肢延長術の全過程において発生することがあります。これは正常なものです。

 

もしピン周囲が下記のような状態が診られたら医療陣にお教えください。

感染所見(下記の所見がいくつか同時に現れることもあります)

‐ピン周囲が赤くなり変色する場合

‐痛みが生じる場合

‐ピン周囲が腫れる場合

‐ピン周囲の分泌物の色が異常であったり臭いがする場合

‐全身的な発熱

‐過敏性の増加

 

上記の内容の中でどれか一つでも発生した場合は、病院にお伝え下さい。

治療が必要である場合があり得ます。